無学無才日記

家なし妻なし金なし暇なし。重ねた年月で身についたのは腹の肉だけ。迫る不惑に慄然とし眠れぬ夜を今日も過ごす。

世界の形と自分の形

どんな世界を信じるか、どんな世界観を持って日々を生きるか。その事に大きく人生は左右されるのではと考えた。寒い冬の夕方。日が沈む前の美しい時間の中で。

 

例えば、天動説を信じる船乗りは、遥か遠く西へと航海するのを恐れただろう。穏やかな波や暖かな日差しですら災厄の予兆と解釈して。そこに、もし地動説を信じる船乗りが乗っていたなら、同じ日差しを安らかな気持ちで存分に楽しんだだろう。

 

穏やかな日差しと丸い地球がそこにあるだけで、二者の違いはどんな世界の形を持って生きているかそれだけなのだ。

 

果たして自分は間違った世界観を持って生きていないだろうか。日々感じる心のしこりのような不快感は、きっとどこかで天動説を信じているからなのだと思う。